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個人事業主としてビジネスを動かし、毎月の利益が順調に伸びているときに意識すべきものとして「法人化(会社設立)」が挙げられます。

よりくわしくいうと、毎月の利益が50万円を超え続けている状況であれば、個人事業主のままでいるよりも会社設立に踏み切った方が良いです。その理由は、「毎月50万円を超える利益が出続けている場合、個人事業主よりも法人の方が税金が安くなるから」です。

ただ、実際に会社設立を行うにあたって、「どうすれば法人化できるのか」「どのように会社設立を行うべきなのか」について戸惑う個人事業主は多いです。

そこで今回は、「個人事業主が法人化(会社設立)を行う方法とその注意点」について解説していきます。

優れた司法書士を探し出す

個人事業主が法人化する場合、最初に行うべきこととして「優れた司法書士を探し出すこと」が挙げられます。その理由は、「優秀な司法書士を見つけることができれば、あとはその指示に従って動くだけで会社設立ができてしまうから」です。

個人事業主の中には、司法書士に依頼するのを避け、法人化に必要な作業をすべて自分一人で行おうとする人がいます。しかし実際のところ、この行動は単なる時間と労力の無駄になるため、絶対にやらないようにしましょう。

自分一人で法人化を目指してはいけない

そもそも、本を読むなどして会社設立に必要な作業を学んだところで、そのスキルは一度しか使わないことの方が多いです。また、自分一人で法人化に必要な作業を行う場合、会社設立を果たすまでに何ヶ月もの時間を失うことになります。

一方、司法書士に法人化に必要な作業を依頼する場合、数万円程度の手数料が必要になります。しかし、会社設立を司法書士に任せてしまえば、何ヵ月もの膨大な時間を本業のビジネスに費やすことができます。

そのため、法人化を実現する際には、自分一人で行うのを避け、必ず司法書士に代行してもらうようにしてください。

優秀な税理士を見つける

個人事業主の場合、確定申告をするのはそれほど難しいものではありません。そして、申告時に必要となる書類の枚数も、10枚以内で収まることがほとんどです。そのため個人事業主であれば、確定申告をすべて自分一人で行うことができます。

その一方で法人の場合、個人事業主に比べて確定申告などの税務処理の難易度が非常に高いです。例えば、法人税の申告を行う際、30枚近くもの書類の提出が求められます。そして、法人税の申告に必要な書類を作る際には、税理士などの専門家レベルの知識が求められます。

これらのことから、法人化を果たして会社運営を行う場合は、必ず税理士に依頼するようにしなければいけません。

税理士に依頼することを躊躇してはいけない

税理士に依頼した場合、年間で20~40万円ほどの顧問料が必要になります。しかし、このお金を出し惜しみしてしまうと、難解な税務処理によってビジネスに支障をきたす危険性が高くなります。このようなことを避けるためにも、法人化を実現したら優秀な税理士を見つけるようにしましょう。

また、税理士と司法書士は知り合い同士であるケースが大半です。そのため、「優れた税理士か司法書士のどちらかを探すことができれば、もう一人の士業の先生ともつながりを持つことができる」といえます。

税理士に依頼するメリットには何があるのか

税理士に依頼することのメリットは、確定申告などの会計作業だけにとどまりません。例えば、優秀な税理士に依頼することによって、「節税対策のやり方や、それを行うべきタイミングを教えてもらえる」「税務調査のときに、強力な味方になってもらえる」といった恩恵を受けることができます。

これらのことを自分だけで何とかしようとすると、たくさんの時間と労力をかけて勉強しなければならなくなります。この場合、ビジネスに注力するのが難しくなり、自社の事業に悪影響が出てしまう恐れがあります。

そうならないためにも、法人化をするときには必ず税理士に依頼し、税務に関する仕事をすべて任せるようにしましょう。

税理士を選ぶときのポイント

依頼する税理士を決める際に欠かせない判断材料として、「一生付き合える税理士であるか」が挙げられます。要するに、単純に税務に関する相談をしたり仕事を任せたりするだけでなく、お互いに本音で話し合えるような信頼できる税理士かどうかをチェックする必要があります。

なぜなら、税理士に依頼した場合、その税理士に自社の売上や経費、取り組んでいる節税方法などをすべて打ち明けなければならないからです。

また、税理士に依頼するにしても、普段の記帳作業しか行わないような安っぽい税理士を選択してはいけません。自社の税務に関するすべての仕事を任せられる税理士を選ばなければ、税務調査などのときに足元をすくわれてしまうからです。

そのため、法人化を行う際には、自社の税務をすべて任せられるような信頼できる税理士に依頼するようにしましょう。そして、社長であるあなたは自社のビジネスに注力し、会社の利益をさらに増大させることにフォーカスするようにしましょう。

会社名を決める

会社を設立する場合、当然のごとく会社名を設定する必要があります。そして、会社名を決めることには特にルールがないため、代表取締役となるあなた自身の趣味で会社名をつけることもできます。

ただ実際のところ、会社名を決めるときには、なるべく「あらゆる業界で通用する社名を設定すること」をおすすめします。その理由は、特定の業界でしか通用しないような社名の場合、それがビジネスにわずかながら悪影響を及ぼすことがあるからです。

特定の業界でしか通じない社名は避ける

例えば、あなたがサイト作成を支援するビジネスを行っており、利益が大きくなったことで法人化することになったと仮定します。そしてこのとき、あなたは「ゼロからサイトを作成するのは、新築の家づくりに似ているのでは?」と考え、自身の会社名を「株式会社●●建設」にしたとします。

この場合、新しいお客様に会うたびに、「おたくは建設業なの?」「建設業の人がサイト作成できるの?」などと聞かれてしまうことになります。これにより、新規顧客を相手にする際に、会社名と自身のビジネスについて毎回のように説明しなければなりません。これが何度も繰り返されれば、年間で何時間もの貴重な時間をロスしてしまうことになります。

このようなことにならないためにも、会社名を設定する際には、「特定の業界や地域などでしか通用しないもの」を避けるようにしましょう。そうすることで、「新しいお客様に対して社名と業務内容について説明する」という無駄な作業と時間のロスを防ぐことができます。

会社印(代表取締役の印)を作成する

会社名を設定し終えたら、今度は会社印(代表取締役の印)を作るようにします。なぜなら、「会社印を用意できていないと、自身の会社を登録できないから」です。

代表取締役の印を作成する場合、会社印を作る業者をインターネットで検索し、低価格で受注できるところを見つけて依頼すれば大丈夫です。そのため、法人化を行うときには、会社印の作成業者にこだわらず、代表取締役の印を速やかに用意するようにしましょう。

会社の住所を設定する

会社の住所を決める場合は、「あなた自身の現住所」か「あなたが借りている事務所の住所」のどちらかにしましょう。このとき、事務所を借りていない個人事業主の場合、「自分の現住所を会社の住所にしてしまうと、変な人が訪ねてくるようにならないか?」と不安になってしまうかもしれません。

しかし実際のところ、あなた自身の現住所を会社の住所として設定したとしても、特に問題は起こりません。強いて挙げるなら、他の会社からあなたの会社宛てにダイレクトメールが何通か届くようになるくらいです。

架空の住所を会社の住所に設定してはいけない

むしろ、バーチャルオフィス(レンタルオフィス)などのように架空の住所を会社の住所にしてしまったときの方が、面倒な問題に直面しやすくなります。例えば、会社用のクレジットカードを発行するときや銀行で事業用口座を開設するとき、審査をスムーズに通過できなくなる恐れがあります。

そのため、会社の住所を設定する際には、「あなた自身の現住所」あるいは「あなたが借りている事務所の住所」を選択するのが賢いといえます。

資本金を決定する

会社を設立するためには、資本金が必要になります。そして現在では、資本金1円でも株式会社を設立できるので、法人化するときには必ず株式会社を選ぶようにしましょう。株式会社を選択すべき理由として、「代表取締役や取締役という肩書を名乗ることができること」が挙げられます。

会社の形態には、株式会社のほかにもさまざまなものが存在します。例えば、合同会社や合資会社、合名会社といったものが挙げられます。これらの企業形態の場合、代表取締役や取締役を名乗ることができず、「業務執行社員」や「代表社員」などが肩書になります。

合同会社などにみられるこれらの肩書は、一般的にはほとんど馴染みがないものです。そのため、異業種交流会などで「私は、合同会社○○の業務執行社員の●●です」と名乗った場合、相手を困惑させてしまいます。

そして、株式会社以外の企業形態を選ぶメリット自体がないため、素直に株式会社を選ぶようにしましょう。

資本金1円での株式会社の設立は避ける

また、資本金1円で株式会社を設立できるとはいえ、資本金を1円にするのは避けなければいけません。その理由は、「会社を設立するとき、司法書士への依頼や会社の登記などのために約30万円の費用がかかるため」です。

会社の資本金を1円にしてしまった場合、会計上で赤字(マイナス)を出した状態から会社がスタートすることになってしまいます。この場合、銀行などから「この会社は大丈夫なのだろうか?」などと悪く思われてしまいます。

このようなことを避けるため、基本的には最低でも資本金を50万円に設定することが重要です。そうすることで、会計上でのマイナスを回避でき、銀行などから「業績不振の危険な会社」と思われずに済むようになります。

また、「法人化はしたが、売上の伸び具合に不安がある」といった場合には、資本金を100万円に設定するようにしましょう。そうすることで、会社を設立した後の売上の伸び方が悪かったとしても、会社に多くの資金を残しておけるようになります。これにより、会社を立ち上げたばかりの頃の資金繰りをより安定させられるようになります。

会社に在籍する役員を決定する

個人事業主が会社を設立した場合、代表取締役という役員に就任することになります。このとき、会社の業務を一人で行うことができるのであれば、他に役員を入れずに一人社長として働くことができます。ただ、たとえ自分1人だけでビジネスを動かせる場合であっても、自身の親や兄弟、配偶者などの家族を役員にすることができます。

家族を従業員として雇う場合、「具体的にどのような仕事を行ったのか」を明確にしなければいけません。そうしたうえで、その仕事内容に見合った給料を支給しなければ、税務署員に怪しまれてしまう恐れがあります。

家族を役員にするメリット

一方、役員は一般の従業員とは違い、「会社経営に対してアドバイスを行うこと」が業務になります。そして実際に、役員であれば業務内容を明確にすることが求められていません。そのため、役員にした家族が経営に対して何も働きかけなかったとしても、問題なく役員報酬を支払うことができます。

そして、自分の家族を役員にして役員報酬を支払えば経費として計上できるため、その分だけ国に納めるべき税金を少なくすることができます。

なお、役員報酬を決めることには、「事業年度が始まって最初の3ヶ月以内に1度しか変更できない」などの制約があります。そのため、役員報酬を設定するときには、ビジネスでの利益の伸び具合を考慮したうえで、顧問税理士に相談することが重要だといえます。

定款(ていかん)を設定する

定款(ていかん)とは、「会社における決まりごとを記載した書類」のことを指します。そして会社を設立する際には、自社の定款を作成する必要があります。

定款を作成するとき、そこに「会社運営を行う目的」を記載することが求められます。要するに、あなたが経営する会社が「どのようなビジネスを行うのか」を書き、前もって申請しなければいけません。

具体的な方法としては、「あなたが現在行っているビジネス」と「あなたが将来的にやるかもしれない事業」などを箇条書きにした紙を用意し、司法書士に送付することが挙げられます。そうすれば、司法書士の方で、「会社運営の目的」を適切な文面に直してもらうことができます。

なるべくたくさんの事業を定款に記載する

また、会社の定款を作成した後で、会社の目的として記載されていないビジネスを行った場合、再び司法書士に頼んで定款を修正してもらわなければいけません。そしてこのとき、当然ながら代行料が発生することになります。

このような事態を避けるため、定款に「会社運営の目的」を記載するときには、前もって思いつく限りのビジネスを書き込んでおいた方が望ましいといえます。

このように、司法書士などの専門家に依頼することで、会社設立についての知識がない個人事業主であっても法人化することができます。むしろ、自分一人で会社設立を行おうとすると、それだけで何ヶ月もの時間を失ってしまうことになります。

その一方で、優れた司法書士を見つけて法人化を依頼すれば、わずか数万円の料金で会社設立に必要な作業をスムーズに済ませられるようになります。あとは、法人化に必要となる30万円ほどの資金を準備しておけば、そこから数週間後には自身の会社を設立することができます。

そして実際のところ、優れた税理士や司法書士を探して依頼することが、法人化をするにあたって最も難易度が高い作業になります。そのため、知り合いの起業家などに相談し、評判の良い司法書士や税理士を探し出しましょう。

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