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在庫を管理していく上では、さまざまなデータが必要になります。在庫管理は、現状を示すデータや今後を予測するデータを元にして実行します。

そのため、在庫管理を行う際には、まずはデータを集めて整理することが大切です。そもそも基準となるデータがなければ、現状の在庫に問題があるのかも、今後どのように在庫を管理していけばいいのかもわかりません。

そうしたことを避けるためにも、まずは在庫管理で必要となるデータを知っておくことが重要です。そして、それらを踏まえた上で、データをどのように使っていくのかを学ぶことができれば、適切に在庫管理を行うことができるようになります。

そこで今回は、「在庫管理に必要なデータと在庫管理の指標」について解説します。

在庫管理で利用するデータ

在庫管理を行う上で、現状の把握や今後の方針を決めるために、さまざまなデータが必要になります。

例えば、定期的に仕入れている部品の数や、需要に見合った適切な注文数がわからなければ、部品数を管理することはできません。また、「今後商品がどれくらい売れていくのか?」というような需要予測ができなければ、「どれだけ原材料や部品を注文すべきか?」ということがわかりません。

こうしたことを避けるためにも、在庫管理の第一歩はデータ収集を行うことだといえます。そこで以下に、在庫管理を行うために必要なデータについて記します。

需要予測

需要予測のデータとは、「今後、製品がどれほど売れるのか?」ということを予測するためのデータです。

基本的に製造業では、お客様から注文があってから製造するのではなく、「だいたいこれくらいの数が売れるだろう……」という予測を元に製品を作ります。そうすることで、「商品を買いたい」というお客様のニーズにすぐに対応することができます。

そのため、商品の需要を予測したデータは非常に重要になります。需要予測が大きく外れてしまうと、余剰在庫や在庫切れを引き起こすことになります。

例えば、「今月は1000個商品が売れるだろう……」と予測して原材料や部品を注文して、商品を製造したとします。ただ、実際に売れたのが500個だけであれば、残りの500個は在庫として余ってしまいます。

また逆に、商品を1000個しか作っていない状況で1500個の注文があれば、製品は500個足りないことになります。つまり、在庫切れの状態となり、お客様に商品を届けることができません。

こうしたことを避けるためにも、適切な需要予測を行うことが大切になります。

また、需要予測のデータは基本的に、過去の実績や市場の傾向を元に企画部やマーケティング部などが作ります。

原材料・部品数

製品を作るためには、そのために必要な原材料や部品を調達しなければいけません。需要予測を元に、原材料や部品の調達計画を立てていきます。

そしてそのためには、まずはそれぞれ商品に必要な原材料や部品の数を把握しておく必要があります。

例えば、Aという商品に関して「来月は100個売れる」という需要予測が行われていたとします。ただ、Aという商品を作るために必要な原材料や部品の数がわからなければ、発注して調達することはできません。

こうした、それぞれの商品を作るために必要な原料や部品数を把握しておくことで、より調達計画を立てやすくなります。

発注リードタイム

発注リードタイムとは、必要な部品や原料を発注してから納品されるまでにかかる時間を指します。当然ながら、注文してから現場に届くまでにはタイムロスがあります。

ただ、こうした発注リードタイムは、注文する品によって異なるため、原材料や部品ごとに把握しておかなければいけません。

例えば、「Bという部品は納品までに2週間かかるのに対して、Cという原材料は2日で届く」ということは普通に存在します。このような場合、Cは在庫が無くなってもすぐに納品されるため問題ありませんが、Bはある程度先のことまで見越して多めに注文しておく必要があります。

つまり、発注リードタイムが短い品ほど、在庫数は少なくて済みます。

こうした発注リードタイムを把握しておくことで、より実際の需要に近い情報を元に、原材料や部品を発注できるようになります。

発注ロット

発注ロットとは、一回で購入することができる数量のことを指します。

例えば、Aという部品は一回の発注で100個からしか購入できないに対して、Bという原材料は20個単位で買うことができると仮定します。こうした場合、Bと比較してAは発注ロットが大きいといえます。

発注ロットが大きいということは、細かい調整ができないことを意味します。もし仮に、今月はAという部品が150個必要だったとしても、100個単位でしか購入できないため200個買わなければいけません。つまり、必要な数よりも50個も多く購入することになります。

その一方でBであれば、20個単位で購入することができるため、実際に買う数は160個となり、必要数である150個と10個しか差がないことになります。

こうした発注ロットを把握しておくことで、余剰在庫が出やすいものとそうでないものが明らかになります。

納入頻度

納入頻度とは、原材料や部品を発注して納品してもらう頻度のことを指します。

例えば、毎日納入してもらう部品もあれば、1週間ごとに納品される原材料もあります。そして、納入頻度が多いものほど、実際の必要数に見合った注文が行えるため、余剰在庫を極限にまで減らすことができます。

つまり、納入頻度が多いということは、発注リードタイムが短くなるのと同じような意味を持つことになります。

こうした納入頻度を把握しておくことで、必要な在庫数を知ることができます。

部品、原材料単価

部品や原材料は、当然ながらそれぞれによって値段・単価が異なります。

例えば、ネジやボトルなどの部品は単価が数円と安いものである一方で、エンジンなどは1つで数十万円もします。そのため、当然ながら余剰在庫となったときに、会社に与える影響は単価が高いエンジンの方が大きいです。

そのため、在庫管理に関しても、単価が大きいものほど管理を重点的に行うことが大切です。

このように、部品や原材料の単価を把握することで、それぞれ管理レベルを分けることができ、管理業務の効率化が図れるようになります。

製造リードタイム

製造リードタイムとは、商品を作り始めてから完成するまでの時間を指します。

当然ながら、商品を作るための原材料や部品は製造リードタイムに合わせて仕入れなければいけません。そのため、製造リードタイムを把握した上で、在庫を管理することが大切です。

また、在庫の一種である「仕掛品(作りかけの製品)」は、商品を作る途中でしか生まれないものであるため、製造リードタイムが短いほど少なくなります。

このように製造リードタイムを知ることで、注文すべき数やタイミングなどを正確に把握できるだけでなく、仕掛品の在庫管理を適切に行うことが可能になります。

在庫管理の実践方法

在庫管理は、さまざまなデータを元に行うことになります。そして、具体的に在庫管理を実践する方法としては、主に「金額で管理する方法」と「数量で管理する方法」「日数で管理する方法」の3つがあります。

そこで以下に、それぞれの管理方法について記します。

金額管理

金額管理とは、在庫として残っているものを金額に換算して管理する方法です。

例えば、単価が1,000円の部品が20個在庫として残っていたとします。そうした場合には、在庫が20,000円(1,000円×20個)として考えます。

こうした在庫金額は、「貸借対照表」や「損益計算書」といった財務諸表に資産として載ります。そして、財務諸表は会社の経営状況を評価されるものであるため、銀行などから融資を受ける際に重要視されます。

つまり、こうした金額による在庫管理を行うことは、経営や対外的な評価に大きく影響する管理指標になります。

こうしたことから、普段は在庫をあまり金額で考えることはありませんが、実際には非常に重要なものだといえます。

数量管理

在庫金額は、会社を経営していく上で非常に重要なものです。ただ、実際に在庫を管理する際には、在庫金額は数値化できない(目に見えない)ため、指標といて採用しづらい項目だといえます。

それに対して、在庫の数量であれば、実際に目で確認できるものであるため、非常に管理がしやすくなります。

具体的には、「Aという商品は20個、Bという部品は100個在庫として余っている」というように、単価などではなく純粋に残っている数で管理をします。例えば、Aが単価1,000円で、Bが単価200円だった場合、在庫金額で考えるとAもBも同じ20,000円になりますが、数量で管理すると大きな差があるといえます。

実際に生産の現場では、金額ではなく数量による管理が重要です。また既に述べたように、数量で管理すると在庫が目で確認できるため、非常に管理しやすくなります。

こうしたことから、生産現場における在庫管理のほとんどは、数量で管理されています。

日数管理

生産現場においては、主に数量によって在庫が管理されています。そして、さらに重要な管理項目として日数が挙げられます。つまり、「現在の在庫がいつまでもつか?」というのを把握しておくことが大切だといえます。

例えば、AとBという部品が在庫として、それぞれ100個残っていたとします。ただ、Aは毎日5つ使用するのに対して、Bは毎日20個使うとします。そうした場合、同じ在庫数であっても、Aは20日間在庫が切れることはありませんが、Bは5日で在庫切れとなります。

そして、在庫を日数で管理すると、在庫の過不足をすぐに把握することができるようになります。また、「今後どれだけ必要になるのか?」という予測の指標にもなります。

具体的には、製造リードタイムと合わせて考えることで、生産に必要な在庫数を割り出すことができます。さらに、発注リードタイムがわかれば、1日に減る在庫量と掛け合わせることで、次に必要な発注量を予測することができるようになります。

このように、生産現場で在庫管理を行うためには日数による管理が欠かせません。

今回述べたように、在庫管理はさまざまなデータを元に現状を分析したり、今後を予測したりして実行することが大切です。また、実際に在庫管理を行う場合には、在庫の金額と数量、日数の3つを指標にして管理することで、多面的に状況を把握することができるようになります。

在庫管理をする際には、まずはこうしたデータの算出や基本的な指標について理解しておくことが大切です。

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