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会社経営をする上で財務会計を知ることは必須です。会社は利益を出すことが目的であるため、「どれだけの利益があるのか」などを測る会計を知っていなければ、経営者はいまの会社の状況を知ることができません。

だた、その前に財務会計がどのように成り立っているのかに関する基礎を知らなければ、全体像を把握することができません。そこで、ここでは財務会計に関する最も基本となる知識について述べていきます。

会社とは

会社とは政府から法人として認められことで、事業活動を行うことを目的とした組織をいいます。会社のうち株式を発行することで、資金調達をする会社のことを株式会社といいます。発行した株式を買ってもらうことで、会社は資金調達をします。

このとき、株式を購入してくれた出資者を株主といいます。株主は株主総会にて、取締役を選んだり解任したりすることができます。株主は会社の経営に取締役を選んだり、解任したりすることを通して、間接的に会社経営に関わることができます。これを資本と経営の分離といいますが、これが現代の会社組織の特徴となります。

利害関係者とは

会社を運営していく上で欠かすことのできない利害関係者がいます。代表的なものですと、株主、債権者、顧客、仕入れ業者、従業員、政府などとなります。債権者とは資金調達をする際、出資(株式など返さなくていいお金)という形態ではなく借り入れ(借金)という形態で資金調達をする場合に関わってくるものとなります。

わかりやすい債権者としては、銀行があります。なお、仕入れ業者はサービス業などを行う会社(仕入れ・在庫が発生しない会社)では関わってこないですので、すべての会社で発生するとは限りません。一般的な会社は仕入れた商品を顧客に販売し、その差額を利益として獲得します。

例えば、70円の商品を仕入れ、100円で売ることで30円の利益を出そうとするのです。そして、利益から税金を差し引き、その残りを株主に還元し、内部留保として会社内にプールしたりしていきます。このとき、株主にいくら還元するかということと、内部留保をいくらにするかということは、株主総会にて決定します。株主総会は会社の意思決定機関の中で最高の位置付けとなります。

財務会計の目的

利害関係者の中でも、出資者や債権者である銀行、投資家などは「企業の財務状況を知りたい」と思っています。「融資した資金(貸したお金)が将来にわたって回収可能かどうか」、あるいは「今後さらに融資可能かどうか」、といった状況を銀行側は知りたがるため、定期的に財務状況の報告を求めてきます。

投資家や銀行など利害関係者に対して、適切な判断と意思決定を行うために、必要な会計情報を提供する必要があります。そのために、会計原則に沿った形式の財務諸表の開示が求められます。

財務諸表の作成

財務諸表の作成のために必要な作業は、仕分けの入力となります。現在では、ほとんどの会社で会計ソフトを使うのが一般的ですので、この会計ソフトに仕分けを入力していく必要があります。この一つ一つの仕分けを入力していくことで、月別や4半期ごとで1年間の財務諸表が作成されます。

このとき、仕分け入力には簿記の知識が必要となります。勘定科目とか借方、貸方といった用語を聞いたことがあるかもしれませんが。これは簿記の用語となります。簿記では、帳簿記録の略で両端の漢字をカットして簿記というようになりました。実際に簿記を行うときは簿記のルールに沿って、会社を運営していく上で必要なお金の出し入れなどを、帳簿に記録していきます。

たとえば、100円で商品を現金で売上したら、「(借方) 現金  100 / (貸方) 売上 100」というように帳簿に記録していきます。帳簿といっても会計ソフトですので、パソコンに入力していく形になります。

簿記一巡の手続き

株式会社の財務会計報告は、その会社の取引を記録・分類・集計し、その結果を財務諸表によって利害関係者(株主、債権者など)に提供することになります。

手順としては、一つの取引ごとに、仕分けを作成し、適切な勘定科目(売掛金、支払手形、売上など)を記帳します。次に、決算日にすべての勘定科目を集計します。次に、試算表を作成し、その試算表から財務諸表を作成していきます。

いまでは、会計ソフトが自動で集計してくれます。そのため実際の作業でやることは、日々の取引の仕分けの入力、定期的に集計した残高の確認、そして決算期に行う修正仕分けの入力となります。

会計上の取引とは、資産・負債・資本の増減をさせる取引を指します。契約などは、会計上の取引に含まれません。したがって、事務所の賃貸契約時や商売上の契約をしたときなどについては、仕分け入力をしていきません。ただ、その結果、お金の入出金があったり資産の増減があったりした場合には、仕分け入力をしていきます。

具体的な簿記の方法

こうした仕分け作業をするために簿記が必要になります。

簿記とは、取引を会計帳簿に記録していくことをいいます。その記録の方法は、取引を複数の勘定科目の金額の増減によって表現していく「複式簿記」といわれる方式で行います。

以下に、例として複式簿記で記載するパターンを記します。

お金の増減とその理由を述べるパターン

・100円の出資を受け会社を設立した場合

現金100円が増えて、その増えた理由が「出資を受けたため」なので、資本金が100円増えたということになります。

(借方)現金100 / (貸方)資本金100

・100円の借り入れ(銀行から借金)をした場合

現金が増えて、その増えた理由は銀行から借入したためなので、借入金の増加となります。

(借方)現金100 / (貸方)借入金100

・100円の借入金を返済した場合

現金が減り、その減った理由は借金返済のためですので、借入金の減少となります。

(借方)借入金100 / (貸方)現金100

この場合、先ほどの仕分けと左右にくる勘定科目が逆になります。現金などの資産項目が増加したときは左側(借方)、減少したときは右側(貸方)に科目がきます。借入金など負債項目が増加したときは右側(貸方)に、減少したときは左側(借方)に科目がきます。

勘定科目のカテゴリーによって、右にきたり左にきたりします。また、増加なのか減少なのかによって、右左が変わってきます。「借方」とか「貸方」とか聞きなれない言葉を使いますので、初めは混乱するかもしれません。ただ、シンプルなルールによって取引を表現していきますので、一度このルールを理解してしまえば、それほど難しくはありません。

経営者(社長)を含め、会社役員であるならこうした簿記の知識は必須になります。そのため、ここまで述べてきたことは確実に理解しておくようにしましょう。

お金の流れと利益の違いについて把握する

さて、経営者の中には、会社のお金の流れと利益が混同してしまっている方がいます。お金の流れとは、「物を買ったり仕入れたりしたときにはお金が出て行き、販売したときに商品のお金が入ってきたり」といった流れとなります。

一方で利益の流れとは、「売上から費用を差し引いた残りが利益」といった流れを指します。この2つの流れは、現金主義で会計処理をしている会社なら一致しますが、発生主義で会計処理をしている会社では必ずしも一致しません。

現金主義と発生主義の違い

現金主義とは、物を買ったらその場で現金払い、物を売ったらその場で現金を受け取るという考え方になります。飲食店などの例であれば、お客さんから現金で受取るなど、現金が移動したときの会計になります。

それに対して、発生主義という考え方があります。発生主義とは、商品やサービスを提供した際、後日請求書を発行し、それぞれ定めた時期までに支払をしてもらうことになります。また、商品やサービスの提供を受けた際、相手企業から後日請求書が届き、同じく定められた期日までに支払をするという流れになります。

発生主義であると、例えば食材を注文したときに仕入れを計上していきます。つまり、実際の現金は動いていないにも関わらず、発注をしたり商品を動かしたりしたときに伝票を動かすのです。

この場合であれば、食材を注文することで商品は届くものの、相手企業にお金をその時点では支払っていません(お金は動いていない)。ただ、1ヶ月後など「将来、必ず払いますよ」という約束をしたうえで商品を先に届けさせ、お金は後で払うことになります。

逆のパターンもあり、先に商品を発送して「売上」は計上しているものの、現金が実際に振り込まれるのは先になることはよくあります。

利益が出ても、現金がないことがある

会社経営では発生主義で考えるため、利益が出ているものの現金がないという状況が起こりえます。商品を発送して売上は出ているものの、それは将来的に「お金をきちんと振り込みますよ」という約束のもとで行っているわけであり、実際の入金は前述の通り後になるからです。

そのため利益は月単位でずれていきます。銀行から借り入れをする場合に、この利益額がいくらなのかということに注目し、「まだ黒字だから大丈夫」と安心していると大変なことになりします。

黒字とか赤字という言葉は「利益が黒字」、「利益が赤字」という意味です。そのため、利益とお金の残高はズレが生じます。

黒字倒産が起こる理由

例えば、「黒字倒産」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。これは何を意味しているかといいますと、発生主義を採用している会社で、「利益は出ているのにお金の残高が足りなくなり、支払いが滞ってしまい倒産してしまった」という例になります。

来月にどれくらいの支払いと入金が予想されるのかということを把握しておかないと、黒字倒産を招いてしまいます。

当月売上目標、または利益目標の達成ばかりに意識がいってしまい、銀行残高が足りなくなってしまうと会社の存続が難しくなります。その場合、慌てて資金調達に走り回るという状況となり、運良く資金が調達できたとしても、綱渡りの会社経営となってしまいます。

個人事業主で社員も雇っていないという規模なら、管理はそれほど煩雑ではなく、資金の状況も把握できると思います。ただ、社員50人を超えるような規模となると、こうした会計処理の相違を注意していかないと、倒産を招きかねません。

そこで経営者は、将来の資金の動きの予測と実績に注意するようにしましょう。その理由は、過去の資金の流れと実際のお金の流れのズレを把握することで、将来いくらの資金調達をする必要があるのかということを、あらかじめ対策することができるからです。

また、資金の動きの予測と実績のズレを把握していくことで、無駄な出費がないかということをチェックしていくこともできます。経営者である以上、こうしたお金の予測が重要になります。黒字倒産しないためにも、現金主義や発生主義を含め、現金と利益の予測ができるようにする必要があります。

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