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ファイナンス理論から考える「保険会社」の仕組み

 

ファイナンスでは、「時間軸を考える」ことや「リスク分散を行う」などの考え方があります。これらを学べば、世の中の仕組みがどのようになっているのかを考察することができます。

 

例えば、保険会社はファイナンスで学ぶときの要素がいくつも組み込まれています。それでは、保険会社はどのように考えてビジネスをしているのでしょうか。

 

 保険会社は未来を見通して運営を行う
保険というのは、「万が一」に備えるためのものです。もし急に大病を患って働けなくなれば、生活ができなくなります。また、交通事故などによって一家の大黒柱が亡くなれば、家族は生活できなくなってしまいます。こうしたときに対応するため、多くの人は保険に入ります。

 

このとき、次のような保険に加入するとします。この場合、保険会社はどのように考えているでしょうか。

 

・掛け捨て型の生命保険
・1年で10万円の費用が必要
・死亡時は9000万円が支払われる

 

もし、10年の間に「100人に1人が死亡する」という確率であれば、どのようになるでしょうか。まず、保険会社に入ってくるお金を計算しましょう。生命保険に100人が加入していると仮定すると、保険会社には「100人 × 10万円 × 10年 = 1億円」が入ってくるようになります。

 

このとき、「10年で100人に1人が死亡する」という確率なので、入ってくる1億円のうち、9000万円は保険金として支払われることになります。つまり、実際に手元に残る額は「1億円 - 9000万円 = 1000万円」です。このときの1000万円が保険会社の利益です。

 

保険会社が「集めるお金の金額」や「死亡率」を間違えれば、大赤字を被るようになります。例えば、死亡率が実際は「10年間で100人のうち2人が死亡する」であることが分かった場合、この保険会社はすぐに破たんします。

 

これを避けるため、昔の保険会社は「何歳の人は、平均何年間生きられる」のような生命表を必死で作っていたそうです。地道な統計をした結果、保険という制度が成り立つようになったわけです。

 

 多くを組み合わせてリスクを減らす
ただ、これでもまだ問題は残ります。「10年間で100人のうち1人が死亡する」とはいっても、それは単なる確率にすぎません。10年で100人のうち3人が死亡することがありますし、ゼロのときもあります。

 

死亡者ゼロならいいですが、3人に生命保険料を支払わなければいけなくなった場合、保険会社は支払い能力がなくなって破たんします。

 

そこで、保険会社は保険への加入人数をできるだけ増やそうとします。数が増えるほど、平均値に近づいていくからです。絶対数が少なければ、不規則な出来事が起こりやすいです。しかし、数さえ増えれば、不規則な出来事が起こっても平均化されます。これを大数の法則といいます。

 

もちろん、このように加入人数を増やしたとしても、避けられないリスクは残っています。例えば、突然隕石が降ってきて地球に衝突すれば、多くの人がバタバタと亡くなります。急に戦争が勃発してミサイルが飛んでくれば、これによっても死亡者は増えます。

 

どれだけ加入者を増やしてリスクを減らしたとしても、このような「予測不可能な出来事」に対するリスクまでは減少させることはできません。

 

ここから、リスクには「努力によって減らせるリスク」と「どうやっても減らせないリスク」があることが分かります。「どうやっても減らせないリスク」に備えて、保険会社によっては「減らせないリスク」に対する保険をかけていることがあります。

 

例えば、日本には地震保険というものが存在します。小さい地震であればいいですが、たまに阪神大震災や東日本大震災のような巨大災害が起こります。このとき、保険会社にとってみれば、保障のために巨額なお金を用意しなければいけません。

 

このような不測の事態が起こった場合、保険会社は簡単に潰れてしまいます。これを避けるため、地震保険の場合であれば「1回の地震による保険支払いの上限が決められている」「大災害が起きたときの保険に入る」などが行われています。

 

保険会社は地震保険を一般市民に販売している傍ら、実は大災害に備えて保険会社自体が地震保険に入っているのです。保険会社が保険に入ることも、「万が一」に備えたリスク分散であるといえます。

ファイナンス理論から考える「保険会社」の仕組み

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