心理学

一貫性の法則をマーケティングや営業で役立てるコミットメント術

私たち人間は一度「何かをやり遂げる」と決めたとき、それに対して一貫した行動をとろうとする傾向があります。この心理現象のことを「一貫性の法則」といいます。

例えば、お金を出して水族館や映画館などに入ったとき、たとえ内容がそこまで面白くなかったとしても「せっかくお金を出しているし、すべて見て回ろう」と考えたことはないでしょうか。お金を出して入場したことを決めているため、内容が面白くなくても全部を見ようとするのです。

こうした行動を取ることが心理学での一貫性の法則です。

一貫性の法則をうまく活用すれば、ビジネスでの売上を増大させることが可能です。人の心理法則を理解することによって、ビジネスでより成功できるようになるのです。

矛盾しないよう、人は一貫した行動を取る

この一貫性の法則は、あらゆる場面で使用することができます。例えば、この法則を営業で用いると以下のようになります。

A:やはり、電気代を節約するのは大切ですよね

B:それは確かに大切だ

A:では、今より電気代を60%も削減できる方法を知りたくないですか?

B:……

簡単に再現すればこんな感じになりますが、このように誘導していきます。人は自分の言うことに矛盾がないように行動しようとするため、この法則に基づいて営業を仕掛けていくのです。

他人へのコミットメントは強制力が働く

このとき、どれだけ小さなことにも一貫性の法則が働きます。そして特に他人に対して宣言すると、より強い一貫した行動が生まれます。

これを用いた良い方法が積極的なコミットメントです。「自分はこれを実行する」と他の人に宣言してしまうのです。このとき、公共性が大きいほど一貫性の法則による制約が強くなります。

例えば、「ダイエットをする」という目標を掲げたとします。そうしたとき、以下のうち下にいくほど一貫した行動を取るようになります。

  1. 自分の目標を心の中だけで念じる
  2. 目標を文字で書いて机に貼っておく
  3. 友達など、他の人に目標を宣言する
  4. 大勢がいる前で目標を宣言する

要は、多くの人を活用するほど一貫性が働くようになります。例えばある企業は社員に目標を書かせて、それをみんなが確認できる位置に掲示することで成果を上げさせたケースがあります。そのほうが、社員は目標に向けて一貫した行動を取るようになるからです。

結婚式をする本当の理由

また、「そもそも、なぜ人は結婚式を挙げるのか」を考えれば、一貫性の法則の重要性が見えてきます。

世界によってそれぞれの習慣があり、地域が違えば全く違う文化がそこにあります。しかし、結婚式に関しては別です。どの国に行っても、男女が一緒に暮らすようになるときは結婚式を行います。宗教や文化が違っていたとしても、式を挙げるのです。

それでは、なぜ世界共通で結婚式を行うかを考えたことはないでしょうか。この答えの一つとして一貫性の法則があります。結婚式では「永遠の愛を誓う」とされていますが、まさに多くの親族や友人がいる目の前で愛を誓わなければいけません。

つまり、公共性のかなり強い制約が生まれます。多くの人の前で結婚式を開き、夫婦としてずっと生きていくと宣言することで、未来に渡りそのように一貫して行動しようとするのです。これが、全世界共通で結婚式を行う理由となります。

クロスセルと一貫性の法則

それでは、こうした事実を認識して一貫性の法則をビジネスに取り入れましょう。マーケティングや営業を仕掛けるとき、お客さんに対して一貫した行動を取ってもらうように誘導するのです。

有名な手法としてはクロスセルがあります。一つの商品を売ったとき、その商品に関連する他の製品を売ることをクロスセルと呼びます。

例えば、新車を購入した後はオプションとしてカーナビやドライブレコーダーなど、多くの関連商品を売るのが基本です。これがクロスセルの一種です。基本的に「お客さんが財布のヒモを緩めた瞬間が一番売りやすい」とされています。これは、お客さんが購入に関して一貫した行動を取るからなのです。

この手法はECサイトなどのネットビジネスでも、リアルビジネスでも頻繁に採用されています。例えば、以下はタッチパネルで注文する形式のとんかつ屋ですが、このように別商品を追加でおすすめすることにより、客単価を上げようとしています。

店で食事をすることを既に決めているため、お客さんは他の商品まで頼んでしまうのです。

他にもECサイトなどのネットビジネスであれば、商品決済が終わった後に他のページが表示されて「今度はこちらの商品はどうですか。なお、このページは一度しか表示されません」のようなメッセージが出されます。

一度ページを閉じてしまうと二度と購入できないため、かなり限定性のあるメッセージを作り出すことができます。ここに一貫性の法則が加わるため、購入確率が格段に上昇します。一貫性の法則を利用したマーケティングはあらゆる場所で活用されているのです。

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最初はハードルの低い商品を用意するべき理由

ただ、マーケティングや営業の場面で一貫性の法則を利用するときは注意点があります。それは、関連商品として設定する最初の商品を購入のハードルができるだけ低いものにすることです。例えば、最初に売る商品として以下のような特徴をもつものを選択します。

  • 価格が安いもの
  • お客様のニーズに合っているもの

このような特徴を持つ商品を関連商品として最初に販売した場合、お客さんが商品を追加注文してくれる可能性が高くなります。

当然、最初の関連商品購入のハードルを下げるときもお客さんによるコミットメントを活用します。例えば、車販売の場面で「家族で出かけるためには、大きめの車に買い替える必要性が大きいですが、どう思いますか」などの質問を投げかけます。

お客さんが「私もそう思います」と発言したのであれば、大きめの車を紹介することで購買につなげます。お客さんは「大きめの車が欲しい」とコミットメントしているため、そのための一貫した行動を取るようになるからです。もちろん、「小さい車がいい」と発言した場合は小型車を紹介します。

そうして実際に車を購入した場合、その車に関連する商品をお客様にさりげなく勧めていきます。商品・サービスの販売機会を逃さずに関連商品を勧めていき、ビジネスを大きく飛躍させていくのです。

フット・イン・ザ・ドア・テクニック:小さな要求から達成させる

なお、「ハードルの低い小さな要求から入ることの重要性」について記しましたが、実はこの心理法則には名前がついています。

人に何か要求をするとき、いきなり本命の依頼をしてしまうと、しっかりとした信頼関係ができている人でもない限り要求に応じてもらえる可能性は低いです。

その一方で、最初に些細な頼みことを聞いてもらうことから始めていくと、その後の本命の依頼に応じてもらえる可能性が高くなります。これを、フット・イン・ザ・ドア・テクニックといいます。フット・イン・ザ・ドア・テクニックは一貫性の法則の一種でもあります。

フット・イン・ザ・ドア・テクニックはさまざまな業界や会社で行われています。例えば、サプリメントを販売している会社のなかには、広告やCMなどで「初回送料無料」「今だけ増量中」などの案内を出しています。

これによってサプリメントに興味を持った人は、初回購入時の手厚いサービスに惹き付けられて商品の購入に至ります。

このように、最初はハードルを低くした要求をします。そうして行動させれば、サンプルを取りよせたお客さんのうちの何人かは、「その会社の商品を購入する」という行動を一貫して取り続けるようになります。

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コレクター精神での一貫性:欠けていると気になって集めてしまう

なお、一貫性の法則を活用したさらなる応用事例としては、コレクター精神を用いた手法があります。人は誰でもコレクターとしての精神があります。例えばマンガを毎回買っていたとき、3巻だけがなくなっている事実に気が付いたとします。

このとき、あなたはどのように思うでしょうか。マンガが全種類揃っていると思っていた中で3巻だけが抜け落ちているため、気になって仕方なくはないでしょうか。

別に何も気にしない人であれば良いですが、多くの人はこの気持ち悪い状況を埋めるため、古本屋にでも行って3巻を探し始めます。

しかし、元々集めていたマンガなので既に内容は知っているはずです。一つ抜け落ちていたとしもそこまで問題ありません。それにも関わらず、こうした行動を取るのは「全巻を揃えたい」という一貫性の心理が働いているからです。

人は何かを集め始めると止まらなくなります。そのため、継続性という意味ではこれらコレクター精神をくすぐるビジネスは優れます。

例えば世の中のビジネスの中で、「キットが届いた後に自分で組み立てていく」というものがあります。そのとき、一度に全部を提供するのではなくて少しずつ小出しにしていきます。つまり、完成させるまでに送られてくるキットを全て購入しなければいけません。この手法を取り入れている会社がディアゴスティーニです。

創刊号を300円など大幅に安く設定することにより、最初の障壁を低くするフット・イン・ザ・ドア・テクニックを利用しています。

しかも、このときの創刊号は「一度逃すと二度と手に入らない」ため、解約しにくいです。さらには、「最後まで集めたい」というコレクター精神も大きく利用している点が重要になります。

コレクター精神を利用すると、最後までに離脱する人の割合が大幅に減ります。一つでも欠けたら気持ち悪くて仕方がないのです。一方、「化粧品やサプリメントの継続購入」の場合では、コレクター精神を上手く活用できるビジネスモデルではないため、途中でどんどん離脱していきます。

先ほどのディアゴスティーニの場合は「キットが全部届くことで完成する」という区切りがあるかもしれませんが、化粧品やサプリメントに比べて離脱率が低いことに大きな利点があります。

マーケティングで重要な心理学の一貫性の法則を活用する

ビジネスを動かすとき、マーケティングや営業の場面で活用するべき心理学の一つが一貫性の法則です。非常に有名な法則であるため、多くの企業が取り入れている手法でもあります。

コミットメントを含め、他人に宣言することで強制力が働き、人はその通りに動こうとします。そこで、ビジネスの場面ではお客さんに発言させ、購買へと導くようにしましょう。

例えば車販売のとき、先の事例のように「大きい車と小さい車のどちらを望んでいますか?」などと質問し、お客さんが回答したほうの車を勧めてみるのです。

また、実際に商品を購入した後は関連商品についても売るといいです。商品を購入した瞬間では、お客さんは一貫して関連商品も購入する確率が高いからです。このとき最初に購入させる関連商品としては、当然ハードルが低いものであるほどいいです。

さらには、応用編を考える場合はコレクター精神をくすぐる商品を提供しましょう。そうすれば、解約されることなくリピートしてくれます。ここまでを考えてビジネス戦略を練れば、多くの売上を生み出せるようになります。

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