商業出版

商業出版で出版企画書を書き、著者として出版社から本を出すには

書籍出版を行おうとするとき、必要になるものがあります。それは、出版企画書です。出版社は企画書を見て本を出すかどうかを審議するため、企画書がなければ出版のステージに立つことすらできません。そのため、必ず企画書を作成する必要があります。

ただ、既に出版を経験している人ならまだしも、多くの人にとって本を出すのは初めてです。そのような初出版を行う人が何の情報もなしに企画書を作成するのは至難の業です。

しかし、どのような出版企画書を作成すればいいのか事前に理解していれば、編集者の目に留まるようになります。ここでは、出版企画書の見本・事例を提示しながら書き方を解説していきます。

出版企画書の書き方・見本

企画書にはある程度まで決まった書き方があり、フォーマットが既にあります。どのような項目を記載すればいいのかについて、以下に企画書の見本を記します。

1. タイトル

本には必ずタイトルがあります。一般的なタイトルではなく、読者が読みたいと思えるタイトルを作成しましょう。読者は0.3秒でタイトルを判断するため、瞬時にわかる内容が適切です。

2. サブタイトル

タイトルを補足することで、読者が本を読んだときのメリットを伝えます。サブタイトルでは、本の中身を記すようにしてください。

3. 本書の内容

どのような内容の本であるのかを書いてください。テーマは1つに絞り、独自の経験から「読者が面白いと思える内容」を記載していきます。

4. 作家名

本名またはペンネーム

5. 作家プロフィール

あなた自身のプロフィールを記載します。経歴を羅列するのではなく、これまでの経緯をストーリー形式で記載していきます。

6. 企画意図

あなたが本を書こうと思った理由を記載し、読んでくれた読者がどのようになってほしいのかを書き出していきます。

7. 企画の背景

本は時流に乗れば売れます。そのため、なぜ去年や来年ではなく、「今」に本を出さなくてはいけないのかを記します。

8. 読者ターゲット

あなたがターゲットとする読者を記します。このときは、メインターゲットとサブターゲットに分けます。

9. 類書

出版しようとしている本について、似た書籍(類書)を3つほど記します。類書はベストセラーを記載しましょう。類書が存在しないことはありえないことであり、もし本当に類書がなければ、あなたの本は売れません。そのため、必ず類書を記載します。

10. 類書との差別化

他の類書に比べて、何が違うのかを示します。テーマや切り口、読者層の違いなどが差別化になります。例えば、理解が難しい本をマンガで解説することでベストセラーになった本があり、こうした切り口も差別化になります。

11. 有利な条件

著者自ら本を売らなければいけません。そのため、あなたが本を出版するときに有利な条件を記載していきます。サイト運営やメルマガ発行者であれば、宣伝媒体をもっていることになります。知り合いに影響力の強い人がいれば、それも有利な条件になります。

参考までに、以下は私がビジネス書を商業出版したときに書いた出版企画書の一部になります。

当然ながら、実際に本を出すときに企画書通りに出版されることはほとんどありません。ただ、それでも編集者の目を引く内容に仕上げることは重要です。

タイトルや企画意図、読者ターゲットの詳細な書き方

このように、企画書の作成にはある程度のルールがあります。ここまで企画書の書き方と見本を記しましたが、これに沿って企画書を作成していけば問題ありません。

ただ、これら企画書項目の中でも「タイトル」「企画意図」「読者ターゲット」の考え方を知ることは重要です。きちんとした企画書を作成しなければ、あなたの本が出版社の会議で議題に上がることすらありません。

・本のタイトルの考え方

書店で読者が本を買うとき、その多くは衝動買いです。そのため、タイトルで読者を惹きつける必要があります。本がどのようにして売れていくかというと、中身よりもタイトルと表紙が重要になります。本の売れ行きは「タイトル8割、表紙2割」によって決まるといわれています。ここで本の中身が良ければ、ベストセラーになります。

読者が本屋に立ち寄って本を見るとき、前述の通りタイトルを0.3秒で確認します。そのため、これだけの短い時間で読者の目にキーワードを焼き付けるようにするのです。

ただ、本にはタイトルだけでなくサブタイトルがあります。本の内容を補うためにサブタイトルが必要になりますが、サブタイトルは1秒で確認できるようにしましょう。サブタイトルでは、どのような内容を書いた本であるのかを述べます。

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・企画意図の考え方

出版企画書では、他にも「企画意図」という項目があります。一見すると何のことだか分かりませんが、ここにはあなたがなぜこの本を出版しようと考えたのかについて記載していきます。ただ、あなたが書きたい内容の多くは、読者が欲していないことの方が多いです。そこで、もう少し踏み込んで企画書を考えなければいけません。

まず、あなたの本によって「何を解決できるのか」を明確に記しましょう。例えば、「営業で感謝されながら商品を売るようなれる」「恋愛での会話術に困らないようになれる」など、解決できる悩みは本によって異なります。

さらには、なぜこの本を出すことで売れるのかまで考えるといいです。編集者は売れる本を作ることを考えています。そのため、売れる理由を論理的に企画意図の中で説明するのです。

なお、企画意図と同じくらい重要な項目として「企画の背景」があります。ここでは、去年や来年ではなく、「なぜ、いまあなたが出版しなければいけないのか」という理由を述べます。客観的なデータやベストセラー本を例に出すことで、多くの読者があなたの本を求めていることを編集者へ示すようにしましょう。

・読者ターゲット

本を書くとき、誰を対象にするのかをあらかじめ考えておかなければいけません。このとき、「浅堀り(広い読者層へ向けて書く)」「深掘り(狭い読者層へ向けて書く)」の大きく2つがあります。

基本的には広い読者層へ向けて書くことでベストセラーを狙うのが一般的ですが、深掘りすることでロングセラー(長く売れる本)を目指す方法もあります。

このとき、「性別」「年代」「職業」「年収(生活レベル)」「書店の棚」で考えるといいです。「書店の棚」とは、ビジネス書や実用書など、どの棚に置かれるのかを考えることを指します。

例えば、子育て本は実用書の部類に入ります。ただ、「子育てをビジネス的な観点から戦略的にとらえ、親が考えながら実践すれば超有能な子供を育てられる」という内容であれば、ビジネス書の棚に置くことができます。こうすれば、ビジネス層をターゲットにした新たな市場を開拓できます。

なお、読者ターゲットではメインターゲットサブターゲットの2つを考えていきます。例えば、先ほどの子育て本であれば、「ある程度の年収があり、教養のあるビジネスウーマン」をメインターゲットにします。

ただ、こうした本の場合は結婚しているサラリーマンの男性や主婦も読んでくれる可能性が高いです。こうした人たちはサブターゲットになります。

初心者にとって企画書づくりは難しいですが、本のタイトル、企画意図、読者ターゲットについては、ここまで述べてきたポイントを参考にしましょう。そうすれば、編集者が読みたいと思える企画書を作れるようになるはずです。

章立て(もくじ)と見本原稿を用意する

これらを参考にして出版企画書を用意すれば、基本的には問題ありません。注意点としては、企画書をA4用紙2枚以内におさめることがあげられます。長い企画書を用意すると、編集者側としては読むのが大変です。そのため、短く簡潔にまとめるようにしましょう。

そうして企画書を完成させれば、次は章立てを考えていきます。つまり、章の構成と見出しを記すのです。例えば、第6章までを考えているのであれば、6つの見出しを考える必要があります。そこで、以下のようなもくじを考えるようにしましょう。

次に、見本原稿(サンプルの原稿)です。1,000~2,000字程度で実際に原稿を書いてみるようにしましょう。私も場合も同様に書籍出版するときは以下のように見本原稿を編集者から依頼されました。

見本原稿を執筆するコツは、最も面白い内容を記すことです。見本原稿の内容がつまらなければ、「この著者は魅力的な本を書けない」と編集者に判断されてしまいます。一方、見本原稿が面白ければ、「もっと先を読んでみたい」と編集者は思います。

1,000~2,000文字であれば、2項目分くらいを執筆できるはずです。あらゆる題材の中でも、あなたが最も人を惹きつけられる内容を2つほどピックアップして記載することにより、編集者に興味をもたせるように仕向けなければいけません。

商業出版するため、出版社と編集者の特徴を知る

こうして企画書を作成した後は、出版社へアプローチしていきます。作家として出版するためには、出版社へ企画書を売り込むことで編集者に見てもらわなければいけません。それでは、どのようにして出版社の編集者へアプローチすればいいのでしょうか。

このとき、最初に理解するべきは出版社や編集者の特徴です。まず、本を出したい人は「どこの出版社でもいいから、とにかく出版したい」という方がほとんどです。しかし、これはあまり良い戦略とはいえません。

私の知っている敏腕の出版コンサルタントは、「著者と編集者を引き合わせるのは、お見合いを行うようなものだ」と言います。つまりどれだけ著者が優秀であっても、編集者と「何か」が合わなければいけません。これは単なるフィーリングであるため、実力でどうなる問題ではありません。

実際、出版社によって得意分野が異なります。ビジネス書に強い出版社があれば、実用書に特化している出版社もあります。よく観察してみると、それぞれ個性があります。そこで、あなたの得意分野から考えて、どの出版社へアプローチすべきかについて検討しなければいけません。

・編集者の性質を知る

また編集者の特徴として、編集者は何でもいいから本を出したいとは思いません。そうではなく、「自分の出したい本を作りたい」と思うのが編集者です。逆に言えば、自分が興味のない分野に関して本を作りたいとは思わないのです。

人によって興味の内容が異なります。例えば、野球に反応する人がいれば、まったく野球に興味のない人もいます。野球好きの編集者であれば、プロ野球選手からのオファーに対して前のめりになって聞くでしょう。しかし、人によっては一つも興味を示さないのです。

そのため、あなたの出版内容に興味を示す編集者と巡り合わなければいけません。これが敏腕の出版コンサルタントが「出版はお見合いだ」と言っていた真意です。著者と編集者のフィーリングが合い、ようやく一冊の本が生まれるのです。

出版デビューに必要な「出版社へ企画書を売り込む方法」

これらを理解したうえで、どの出版社へアプローチするのか決めるようにしましょう。出版企画書の書き方を学ぶだけでは不十分であり、本を出す会社を決めなければいけません。

このとき出版社へのアプローチ法としては、いくつか種類があります。その中でも、代表的な方法について解説していきます。どれかの方法によって、書籍出版を果たせるようになります。

・出版社へ直接持ち込みを行う

最もシンプルな方法としては、あなたの企画書を出版社へ直接持ち込むという方法があります。多くの出版社は直接送付を不可にしていますが、中には持ち込みOKの出版社も存在します。出版社へ企画書を送るときは、丁寧な手紙と共に送付するようにしましょう。

例えば、以下のように公募している会社に応募するのです。

この方法の一番のデメリットとしては、「採用される可能性が極めて低い」ことがあげられます。よほどのことがない限り、編集者の目にとまって連絡がくることはないと考えましょう。

・出版記念パーティーに出席する

出版する方法の中でも、出版記念パーティーに出席することはかなり有効です。知り合いのビジネス友達が出版してパーティーを開催する場合、積極的に出席するようにしてください。出版記念パーティーには、必ず出版社の編集者がいます。その編集者と関係性を作っておき、後で企画書を送るのです。

もちろん、その場で企画書を見てもらおうと思っても嫌われるだけです。パーティーでは編集者と人間関係を構築することだけを考えるようにしましょう。

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・出版プロデューサーを活用する

世の中には、出版プロデューサーと呼ばれる人たちが存在します。彼らは企画書作りを指導したり、出版社とつないだりしてあなたが作家デビューするのを手伝うことを仕事にしています。出版プロデューサーに頼むことで、本を出す人もかなり多いです。

実力のある出版プロデューサーであると、本を出すだけでなくその後の販売促進まで面倒を見てくれます。

もちろん、この場合は出版プロデュース代を支払う必要があります。そのため、あなたが出版できるレベルに至ってなかったり、出版プロデューサーの実力が乏しかったりすると、お金だけ払って出版に至らないというケースが起こります。

参考までに、私は出版プロデューサーに依頼して初出版を果たしました。このときは出版コンサルを依頼して、半年後には出版社から商業出版を果たして著者の仲間入りを果たしました。

出版企画書を自らの力で考えてもダメな内容にしかなりません。ただ、出版プロデューサーの力を借りることで企画書の書き方を学び、さらには出版社の選定もしてくれたため、本を出すまでの過程が非常にスムーズだったわけです。

事例をもとに出版企画書を書き上げ、自分を売り込む

これから商業出版として作家になることを考えたとき、多くの人にとって必要になるのが出版企画書です。「具体的に、どのような本の出版を考えているのか」について、企画書を書いたうえで出版社へアプローチするようになるからです。

そこで、事前に出版企画書の作り方を理解しておきましょう。正しいフォーマットがあるため、それに沿った形で企画書を書き上げる必要があります。

ここでは実際の見本や実例をもとにして、出版企画書の書き方や編集者へのアプローチ方法まで含めて解説してきました。

事前にこれらを理解したうえで書籍作りを進めるからこそ、商業出版を果たせるようになります。知識ゼロの状態で作家になるのは無理なので、どのように出版企画書を作成すればいいのか理解したうえで著者を目指しましょう。

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