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売上原価の求め方:在庫(棚卸資産)による罠

 

サラリーマンをしていると、原価やら経費やらありとあらゆる費用を下げるようにいわれます。製造業の方であれば、原価(商品を作るために必要な原材料)の値段を落とすように上からしつこくいわれ続けます。

 

原価を減らすために行うもっとも分かりやすい方法は「仕入れ先と交渉して材料費の値段を安くしてもらう」ことです。ただ、当然ですが交渉は難航します。簡単に値下げに応じてくれるわけがありません。

 

そこで、「工場で効率よく商品生産を行えるようにシステムを考え直す」「ボトルネック(商品の生成速度を決めている箇所)を改善する」などを行っていきます。ただ、「原価」とはいっても、会計で行われる売上原価の求め方は少し複雑です。ここでは、売上原価の考え方について解説していきます。

 

 使った分だけ売上原価になる
ビジネスでは商品がなければいけません。経営コンサルタントや弁護士のように知識だけで勝負するなら問題ありませんが、物販であれば材料の仕入れが必ず発生します。このときの仕入れにかかった費用を売上原価といいます。

 

商品を販売したとき、売上原価(商品の作成にかかったお金)を差し引くことで、利益の大元を算出することができます。このときの利益を売上総利益(粗利)といいます。

 

売上総利益(粗利) = 売上 - 売上原価

 

気を付けなければいけない点は、「仕入れた材料代すべてが売上原価になるわけではない」ことがあります。

 

例えば、喫茶店を経営するとします。食料などの材料代も発生しますが、ここでは分かりやすくコーヒーの仕入れにかかる費用だけを考えます。

 

喫茶店を運営するため、あなたはコーヒー豆を10万円で仕入れました。そこからお客さんが入ってきて、忙しくコーヒーを出します。1年が経過してコーヒー豆が置かれている棚を確認すると、8万円分のコーヒー豆を使っていました。

 

このときの売上原価は8万円になります。たとえ10万円分を仕入れたとしても、10万円すべてが売上原価になるわけではありません。

 

当たり前ですが、売上は実際に売れた分だけが算出されます。これに合わせるため、実際に売れた分(今回であればコーヒー豆を使った分)だけで売上原価を算出するのです。

 

それでは、使わなかった在庫(コーヒー豆の残り)はどうなるのでしょうか。これは棚卸資産と呼ばれます。棚卸資産は在庫と同じ意味ですが、名前が変わっただけと考えてください。先ほどの例でいえば、コーヒー豆2万円分が棚卸資産です。

 

売上原価の考え方

 

サラリーマンをしていると「棚卸し」という言葉を聞くようになります。棚卸しでは、商品の数(在庫の数)を数えますが、これを行うことで棚卸資産を算出できます。そこから、ようやく売上原価をだせるようになります。

 

商品の仕入れにかかった費用 - 棚卸資産の額 = 売上原価

 

なぜ面倒な棚卸しを何回も行うかというと、これを行わないと売上原価をだせないからです。そういう意味では、棚卸しは重要な作業の一つです。

 

 在庫(棚卸資産)が経営を圧迫する
サラリーマンをしていると、在庫を減らせといわれます。これは、在庫(棚卸資産)が会社を倒産へと導くくらいの威力をもっているからです。

 

売上原価は「期首(会社の1年が始まる最初の日)にもっている在庫(棚卸資産)」と「1年間での仕入合計」から「期末(会社の1年が終わる最後の日)に残った在庫(棚卸資産)」を引くことで算出します。これを見てわかる通り、期末の在庫(棚卸資産)が多いほど、見た目の売上原価は少なくなります。

 

売上原価 = 期首の在庫(棚卸資産) + 1年間での仕入合計 - 期末の在庫(棚卸資産)

 

前述の通り、利益は「売上 - 売上原価 = 売上総利益」で出されます。売上原価が少なければ利益は大きくなるため、言い換えれば期末の在庫(棚卸資産)が多いほど利益額は増大します。

 

しかし、在庫は売れなければお金に変わりません。多くの在庫を抱えると、仕入れた分だけお金がなくなっているにも関わらず、見た目の利益が増えるので稼いでいるように錯覚してしまいます。これが、在庫(棚卸資産)による罠です。

 

なぜ会社で在庫を減らすようにしつこく言われるのかを理解し、そこからどのような対処を行えば良いか日々考えるようにしましょう。

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